狂牛も 角が外れて 平穏の
      年になるらし 午の初春




 ようこそのお運びを。
 今年も無事に明けましたようで、誠におめでたいことでござります。
 本年も宜しゅうにお頼み申し上げます。

 上方弁で江戸落語なんぞアホやないかとお思いのお方もおいでかもしれまへんが、聞いてもろたら判りますさかい、しばらくの間、エト落語へのお付き合いをば願います。

八  「今年の干支は何だす?」
隠居 「角の無い牛や。」
八  「この1、2年、食中毒やら狂牛病やら御難続きやったさかい、牛年いうたら気いつけんとあきまへんな。」
隠居 「牛やないで。”牛”の頭から角を取ったら”午”やないか。」
八  「成る程。世の中不況で大騒ぎやけど、今年はどないな年になりますやろか?」
隠居 「午は角が無い分、何をしてもカドが立たん。せやから平穏無事な年になるで。それに去年が悪うても、人間万事塞翁が馬ちゅう事もあるさかい。」
八  「そら宜しおますな。今年は何でもウマく行くいう気ィがして来ました。」
隠居 「そや。あんさんも馬車馬の如く気張ったら運が向くやろ。」
八  「わては人参ぎょーさん貰わんとよう走れまへん。」
隠居 「結果を出せば人参は後からついて来よるもんやで。」
八  「それぁいつだす。」
隠居 「午の後からニンジンいうたら、午後の二時に決もうとる。」
八  「少々サブーッおますな。それに、そないに遅いんでは腹減って馬力がよう出ーしまへん。」
隠居 「気張るにしても、今日日世の中は競馬みたいなもんやから、先行逃げ切りやら、追い込みやらと色々工夫が要るで。」
八  「難儀な世の中になって来ましたな。」
隠居 「そや。商売の仕方にも流行の構造改革が要るいう事やで。あんさんもいつまでも長屋の八ではおられんさかい、いっそのこと世界のハチを目指しなはれ。」
八  「何やら年明け早々気が大きゅうなって来ましたわ。ところで、同し午ならオンとメンではどっちゃが強おます?」
隠居 「メンが強いに決もうとる。 近頃の 世の中何でも 馬ンリブ。・・・」

 お後の支度が宜しいようで。        平 伏

 昨年中は、皆様の多大なお引き立てを賜りまして、大変有り難うございました。
 本年も当社をご愛顧下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。




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