SMDクランプのアダプタ製作

SMDクランプ(80mmアーム)PX1510用アダプタの製作例


【はじめに】
  表面実装はんだ付け用「SMDクランプ」使用方法の補足説明集の「アダプタを製作してクランパに取り付ける」 に関し、具体例としてSMDクランプ(80mmアーム)PX1510用アダプタの製作方法を記します。

 具体例のアダプタクランプ対象はΦ0.26mm(AWG30)のワイヤです。
 ワイヤの被覆でなく、被覆剥離後の銅線を直接クランプしてパッドに密着させてはんだ付けを容易にする為の物です。
 その為には、アダプタ先端の溝の深さは0.26mm未満でなければならないので、ここでは0.2mm程度とします。

 なお、SMDクランプ(150mmアーム)PX1810のアダプタも同様の方法で製作できます

1.材料
材料写真


不要ガラスエポキシ製ユニバーサル基板の端材(t=1.0)



Φ5.0mm 熱収縮チューブ(L=12mm にカット)

型紙(プリンタ用ラベルシールに図形を手書きしたもの)
【備考】後出の「4.アダプタの型紙」に印刷用の型紙を掲載しました。


2.製作手順
図・写真
(クリックで拡大)
手     順
型紙の図
@型紙作成
プリンタ用ラベルシールに描画して材料に貼ると便利です。

2個のΦ3.0の切り欠きにより、クランパへのアダプタ着脱時に、熱収縮チューブがアダプタから外れ難くなります。

先端の切り欠きはクランプ対象に合わせて設計して下さい。

【備考】後出の「4.アダプタの型紙」に印刷用の型紙を掲載しました。
型紙添付写真
A材料に型紙貼り付け
端材を使用するので写真では裏面に銅箔パターンがありますが「たまたま」です。
材料のパターン有無や、レジスト有無等には本質的にこだわりません。

材料はアルミ板等でも構いませんが、加工性、耐熱性、入手性の点でここではガラスエポキシ製のユニバーサル基板の端材を用いました。

【補足】後出の動画では基板を切り出した後で、ヤスリ掛けでΦ3.0の切り欠き2個を作っていますが、 型紙を基板端より内側に貼り、ドリルでΦ3.0の穴を2個開けてから基板を切り出す方法もあります。

ハンドカッタの写真
B切り出し
型紙に沿って材料を切り出します。

工具は糸ノコ、金切鋸刃等何でも構いませんが、ハンドカッタが手間が掛からず、仕上がりもキレイなのでお薦めです。
取り付け後の写真
Cクランパに取り付け
ドライヤで縮熱収縮チューブを加熱してアダプタをクランパに固定します。
(後出の動画参照)
完成写真
D完成
クランパから外した完成したアダプタの外観です。

Φ3.0mmの切り欠き2個の効果で、熱収縮チューブが一体になっています。

このままクランパに着脱すれば、必要時にいつでも使用できます。
使用例写真
E使用例
Φ0.26mm(AWG30)のワイヤをクランプした様子です。
(被覆でなく直接ワイヤをクランプしています)

 以上の手順を動画にしました。


  

3.SMDクランプ(150mmアーム)PX1810のアダプタ (参考)
 上記と同様な手順でSMDクランプ(150mmアーム)PX1810のアダプタを製作できます。
 但し、アダプタをクランパの裏面側(ポスト側)に取り付ける点がSMDクランプ(80mmアーム)PX1510と異なります。

図・写真
(クリックで拡大)
説     明
型紙の図
●型紙
プリンタ用ラベルシールに描画して材料に貼ると便利です。

2個のΦ2.0の切り欠きにより、クランパへのアダプタ着脱時に、熱収縮チューブがアダプタから外れ難くなります。

先端の切り欠きはクランプ対象に合わせて設計して下さい。

【備考】後出の「4.アダプタの型紙」に印刷用の型紙を掲載しました。
完成写真
●外観
クラ ンパから外した完成したアダプタの外観です。

アダプタはクランパの裏面側に固定して下さい。
これにより、アダプタが上方にずれる事無く、確実に固定されます。

Φ2.0mmの切り欠き2個の効果で、熱収縮チューブが一体になっています。

このままクランパに着脱すれば、必要時にいつでも使用できます。
使用例写真
●使用例
Φ0.26mm(AWG30)のワイヤをクランプした様子です。
(被覆でなく直接ワイヤをクランプしています)

アダプタはクランパの裏面側に固定されています。

4.アダプタの型紙
 下図はアダプタの型紙の原案です。先端使用目的に合わせて適宜カスタマイズ下さい。
 ダウンロードしてプリンタ用ラベルシールに印刷するとアダプタの製作が容易になります。

型紙(クリックで拡大) 説     明
型紙の図
SMDクランプ(150mmアーム)PX1810用型紙
型紙 px1810_adapter_typical_pattern.jpg をダウンロード
(右クリック→名前を付けてリンク先を保存)
型紙の図
SMDクランプ(80mmアーム)PX1510用型紙
型紙 px1510_adapter_typical_pattern.jpg をダウンロード
(右クリック→名前を付けてリンク先を保存)


 ●型紙使用方法
@サイズ設定
 型紙は jpg形式なので絶対寸法でなく相対寸法です。

 印刷するソフトウェアに型紙を読み込んでから、縦横比固定で型紙を拡大又は縮小します。
 具体的には、クランパ上部の幅がそれぞれ3.0mm(PX1810)、6.0mm(PX1510)になる様にサイズ設定をして下さい。

A使用例
 具体例として、「ラベル屋さん9ダウンロード版(エーワン)」でのSMDクランプ(150mmアーム)PX1810の型紙印刷方法を示します。

 なお、ここでは「ラベル屋さん9ダウンロード版(エーワン)」の一般的な使用方法はご存知であるとし、主として型紙のファイルを読み込み、 寸法を設定する方法について記します。

 他の印刷ソフトでも同様な考え方で印刷できると思います。


画面(クリックで拡大) 説     明
画面1
@デザイン画面で「画像」クリック
→ 「画像」選択ボタンが現われる

A「画像」選択ボタンをクリック
→ 画面右側中段に「画像」選択画面が現われる
画面2
B「新規に貼り付ける」クリック
→ 「画像ファイルを開く」画面が現われるので、所要の型紙ファイルを読み込む

Cこの段階では型紙が所要寸法より大きい
(画面例は px1810_adapter_typical_pattern.jpg を読み込んだ処)

D画面左下の「位置(mm)・サイズ(mm)・角度」クリック
→ 「位置(mm)・サイズ(mm)・角度」入力画面が現われる
画面3
E「H」寸法枠選択

画面4
F「H寸法枠」に3.0↓(CR)を入力
→ 型紙が実寸法の大きさになる

画面5
G型紙をラベルの中央に移動させる

H「レイアウト画面」を開き必要なラベル位置に、読み込んだGの型紙を貼り付ける

H「印刷画面」を開いてプリンタ用ラベルシールに型紙を印刷する


 以上 (最新改訂 2018/10/11. 初版 2018/09/20)

特定商取引に関する法律に基づく表記

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